sinkope is not kind of paradoxical existence

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WMAロスレスの音楽配信サイト「@MUSIC HD Sound」

今や製作現場では 24bit/96KHz は当たり前、192KHz も実用的で、384KHz も視野に入っているとのコト。
興味深いのは、低ビットレートも肯定的に受け止めている点で、小室氏が比較的ラジカルな立場だという点を差し引いても、送り手側がCDクォリティ一辺倒ではないという姿勢が見て取れる。

寺島:アーティストは少しでも音が劣化するということに抵抗があるのではないかと思うのですが、小室さんとして圧縮オーディオに対する意見、イメージはどんなものでしょう?

小室:実際、メリットを実感しています。先日アトランダムに携帯の着うたをダウンロードして聴いてみたんです。キャリア、携帯端末の種類、サービスなどさまざまなものを試しましたが、全部音が違うんです。歌が非常によく聞こえるように作られているな、など。確かに圧縮されて、劣化はしていると思うですが、それで気持ちいいと思える状況にはなっている。やはり圧縮がダメということではなく、悪いことだけではないでしょう。それよりも早く聞きたいとか、先取り感が嬉しいかもしれない。これはひとえに、マスターを預かって、実際に配信する人たちの努力の賜物。その努力が感じられます。

今後高ビットレート/高サンプルレートという流れにはなってくのだろうけど、必ずしもそれが「オールロスレス化」に一本化されるワケではない。
逆にケータイみたいな再生環境が極端に制限された機器で、いかに曲のイメージを保ったまま圧縮だのEQ調整だのをするのか、がポイントとなろう。
例えば HD Sound Lab. についての別項インタビューではCD以外へのマスタリングについて

藤本:CDとはまったく別にマスタリングするということですね?

前田:そうです。実際、携帯電話で着うたを聴いてみればわかりますが、再生する機種によって音がぜんぜん違います。本当にいい音を出そうと設計している機器があれば、何も考えていないようなものもある。だから、本来なら、すべての機種用に別々のマスタリングを行ないたいところなんです。もっとも、そこまでやる余裕はないので、優先順位をつけて行なうつもりですが。

等と語られている。CDと同じようにコンプでつぶしてしまうと、ケータイにはそぐわない音質になってしまうのだという。EQやCODECの選択を含め、こうした機種別マスタリングへの対応については今後各社も見直してくる可能性はあろう。
面白かったのは、低サンプリングレートが必ずしも悪ではない、と小室氏が例示した部分。

ぼく自身のちょっとしたエピソードもあります。'90年代にシンクラビアというものを使っていた時期があり、これは最高100kHzでのサンプリングでレコーディングできたんです。当然最終的には44.1kHzに落とすということはわかっていたけれど、興味本位で使っていたんです。そのときハードロックに凝っていたので、'92年ごろナイトレンジャーのギタリストをアメリカから呼んで、参加してもらい、レコーディングを行なってみた。

 当時、彼は速弾きで正確ということで売っていて、確かにすごく正確な音、リズムを持っていたんです。ところが、シンクラビアの音をプレイバックした途端、本人は憤慨。「これは本当にオレの音か?」。ぼくたちはほとんど気にならなかったんだけど、ピッキングノイズとか、ズレとかが再現されてしまって……。ちょっともめたんで、再度レコーディングしたけど、結局同じ。「でもこれで出すんじゃないんだろ」って急にポジティブになって、彼、練習しだしちゃったんですよ。その後、結構時間がかかったんだけど……。


 つまり、高音質になるとわかってしまうミスやノイズをCDの質に落とすことで、マスキングできるメリットもあるんです。ビートルズストーンズみたいな、もっといえばドアーズやジミヘンみたいな音がいいという人は後からいくらでも好きなだけローファイにすればいいんです。

ハイファイ過ぎるとアラが目立つ、と(笑
個人的には、幼少の頃にポータブルAMラジオで育った世代なので、小さいスピーカから流れてくるポップスサウンドには妙なノスタルジィを感じる。ローファイを良いと思うひとつの事例だろう。
ただ、圧縮はしないに越したことはないのだろう。可能であればやはりロスレスが望ましい。最近はいくらかエンコーダの性能も良くはなって来てはいるが、やはり程度の良い環境で聴くと MP3 というのは「オーディオ」としては全然ダメだよなァ、と思うのである。
#そんなワケで自宅のCDは全部 WAV 形式で HDD にブチ込んであるぜ!(笑