sinkope is not kind of paradoxical existence

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誤用だ誤用だ

リダイレクト、ってありますわな。UNIX使いならずとも、DOS使いにも親しみのあるワザ。
それを転用したのが、電子テキスト上での「振る相手を明示する」って方法‥‥だと思ってたんですけど。例えば「今度の週末は空いてますか?>kuma1さん」みたいな。
どうもこう、最近Webやメール上で、向きを反対にしてる人が多くなって来たような気がするのですね。「おお、空いてるよん<sinkope」‥‥逆だろーそれわー。
思うに、シェルの操作としてのリダイレクトを知らないから、方向が意味するトコロを理解出来ていないんでしょうね。ハイテクオタク文化が一般へ流入したひとつの例なのでしょうなァ。
無粋を承知で知らない方に説明すると;
コマンドライン型のシェル、sh や bashcsh 等、あるいは MS-DOSCOMMAND.COM のプロンプト入力等では、「ある機能」が吐き出した結果出力をファイル等を指定して格納させるという指定が、文字1つで指定出来ます。それが出力リダイレクト。具体的には ">"。 反対にファイル等からデータを読み込む入力リダイレクトもある。具体的には "<" 。
例えば、sample1.txt をソートして sample2.txt へ出力する処理を考える。この時に使うツールは sort というツールだ(大抵の UNIX には付属するツールだ)。次のようにすれば良い。

sort < sample1.txt > sample2.txt

これが、リダイレクトの方向性を極めてシンプルに例示している。
上記処理は次のように記述するコトも出来る。ここで出てくるのはファイルの内容を出力する cat というツールだ。

cat sample1.txt | sort > sample2.txt

途中の "|" は「パイプ」と呼ばれ、出力を次のツールへ「食わせる」役目をする。
UNIX のツールは大抵「テキストファイル」を扱うように設計されていて、引数でファイルを指定する方法の他に、上記のリダイレクトやパイプの結果を入力したり、逆にリダイレクトやパイプに引き渡す為に出力する機能が備わっている。これを「標準入力」や「標準出力」という。
テキストファイルを扱うツールをたくさん繋げて、複雑な処理をプロンプト1行で指定しまうのが UNIX 使いの本来の姿だ。例えば、sample1.txt をソートして、その結果上下の行で同じ内容の行をひとつにまとめ(重複の削除)、その結果が何行になるかをカウントし、sample2.txt へ出力する‥‥という処理を考える。

cat sample1.txt | sort | uniq | wc -l > sample2.txt

うーん、簡単♪
敢えて実生活に喩えて言うと、こんな感じだろうか

冷蔵庫から卵を出す | 割る | 白身を取り除く | 砂糖を混ぜる | 攪拌する | 焼く > 皿

#‥‥何の料理だ?(汗
あ、そうそう、「ここは注釈として書いたから本文よりはレベルが落ちるヨ」って部分の行頭に「#」を書くのも UNIXシェルの文化ですよね。
閑話休題
だから「Aさんに対する投げかけ」であれば「(投げかけ文章)>Aさん」となるのであって、「(投げかけ文章)<Aさん」にはなりえません。逆にネタ元を示す際の「(話題の文章)<ネタ元」という記述も、「(話題の文章)>ネタ元」とすると全然意味が通じなくなってしまいます。
自分の属性を表す「sinkope@自宅です」みたいな書き方も、ドメインの記述方法が元になってるワケなので、「自宅@sinkopeです」では何がなんだか。
要するに何が言いたかったのかというと、ある用語や記述方法は元の文化を辿ればちゃんとした謂れがあり、それを頭に入れれば本来は誤用とされる使い方も減るんじゃなかろうか、と。
ちょっと主旨違いますけど、相撲や歌舞伎が由来の言葉なんて、今の文化として語源を忘れかけてるような気がして、ちょっと寂しいですねェ。